岡山県労働組合会議

はい、岡山県労会議です。086-221-0133

10.5 憲法学習会

と き:2013年10月5日(土)14:00~

ところ:岡山市勤労者福祉センター

概 要

 県労会議青年部は憲法改悪反対共同センターと連携し、憲法学習会を開催しました。今回の学習会は弁護士の藤井嘉子さん(岡山パブリック法律事務所)を講師に招き、弁護士の視点からお話ししていただき、9名が参加しました。

藤井嘉子さんは、「憲法とは①憲法と言う名前のついた法典で、②個人には生まれながらに基本的人権があるという考え方に基づいていて、③基本的人権を守るための統治機構(国家)に対して様々な制限をかけてある。だから、④最高法規であり、国の基になる。そして、①~④すべてを踏まえていなければ憲法ではない」と説明しました。藤井嘉子さんは今の憲法の考え方ができる以前について、「西洋のロックやルソーたちは、人間というのは人間というだけで価値があり、生まれながらにして自由平等だと考え、それを守れるように国民が政府に依頼して権力を行使してもらうという仕組みを考えた。そうすると、政府というのは国民に選ばれて、権力を行使することを委任されているだけなので、勝手なことはできなくなる。しかし、これらは今の憲法の一歩手前。一歩手前の憲法では自由権保障、国民主権、権力分立が確立していたが、国民のすることに対して国は介入するなということにつながり、社会的に弱い立場の人は弱いままという状況が生まれてしまうことになった」とし、「今の世の中で働こうと思えば、法律で決められた最低賃金法を守らないといけない。もし、この法律がなければ、1時間100円で働かせる会社が出てきてもおかしくない。自由主義とはこういうことを許し、自己責任を横行させていた。そこで、個人が個人らしく、人間らしく生きるために国家に介入してもらうという考え方に気付いた人が現れ、生まれたのが社会権・請求権。そうした考え方に基づいたのが今の憲法だ」と説明しました。

 憲法そのもの説明をした後、「日本国憲法には①国民主権②基本的人権③平和主義の3つの柱がある。③の平和主義があることは日本国憲法の特筆すべき点だ。日本は戦争によって悲惨な体験をした。人権を守るためには平和であることが大前提という反省の現れだ。日本国憲法ではこの世に1人しかいない、個人としての人権が保障されている。誰も家・地域に縛られることはなく、結婚の自由・職業選択の自由がある」とし、「自民党は表現が曖昧という理由で『公共の福祉』を国益・公の秩序という言葉に置き換えている。公共の福祉とは人権とは大切が、最小限の規制の必要性を考えるときに使う考え方で、自民党の考え方では表現の自由まで侵害してしまう恐れが高い。また、『公の秩序を乱すからやめてくれ』という表現は何でも適用されやすく、原発が危ないということさえ排除される可能性が高くなる」と自民党の改憲草案を批判しました。

 最後に藤井嘉子さんは、「自民党改憲草案では『国民は憲法を守らなければならない』とあるが、国民に憲法を守らせるなど、軍事国家と変わりない。あくまで政府・裁判所・自治体が守らなければならない。また、憲法96条を変え、改憲しやすくしようとしているが、これは日本の将来を考えたら非常に危険なことだ。改憲の手続きが厳格になっているのは国民の基本的人権を守るために、憲法で国家権力を縛るためだ」と述べました。

 終了後の質疑応答では、「憲法を変えさせないためにどうしたらいいのか」といったものもあり、有意義な質疑応答となりました。

この記事の感想は?
  • がんばれ!! 
  • いいね! 
  • 静観-- 
  • ちょっと… 
  • どうよ? 

RSS Feed

No comments yet.

コメント募集中

<<

>>

Find it!

Theme Design by devolux.org

アーカイブ

To top